経営企画部大学経営企画課未来創造室長
推し研究紹介Vol.1— “腸の音”に耳を澄ませ、見えない体の動きを“見える化”する —
徳島大学の推し研究を紹介します。
徳島大学 大学院社会産業理工学研究部
電気電子システム分野・准教授 榎本 崇宏
— “腸の音”に耳を澄ませ、見えない体の動きを“見える化”する —
榎本先生は、生体医工学・生体音響工学・信号処理を専門とする電気電子系の研究者です。これまで、私たちの身近にある“音”を科学的に解析し、その特徴を数値として明らかにする研究を積み重ねてきました。マイクロホンの特性評価、雑音環境での信号抽出、音の特徴量の可視化など、「音を正しく測る」技術を長年探究してきた専門家です。
この技術を医療に応用し、人々の健康に役立てたい——その思いから始まったのが、現在の“腸音(ちょうおん)”研究です。

お腹の中で鳴る「ぐう」「ごろごろ」という音は、腸が動いている証拠であり、健康状態を知るための大切なサインでもあります。近年、腸の状態を音から推定する取り組みが社会的にも注目され、短時間の録音だけで腸の状態を評価しようとするサービスも登場しています。
しかし腸音は食事・時間帯・体調により大きく変動するため、短時間の単回測定だけで腸の状態を正確に判断できるという科学的根拠は、現時点では十分に確立されていません。
だからこそ榎本先生は、工学研究者として 腸音を“確かなエビデンス”として活用できる技術基盤づくりに真摯に取り組んでいます。
榎本研究室では、刺激前後の腸音を15分程度にわたって計測し、その変化から腸の状態を推定する「刺激応答解析技術」を独自に開発しました。この手法を用いた研究では、機能性便秘や機能性下痢の患者さんと健常者を識別できる可能性も示されてきています。
現在は、香川大学医学部との共同研究を通じて、慢性便秘の評価法としての探索的研究を進めています。腸の動きを直接測る検査が少ないなかで、腸音を科学的に評価する手法は、治療効果の判定や予防・管理に大きく寄与すると期待されています。また今後は、過敏性腸症候群(IBS)や機能性ディスペプシアなど、他の機能性消化管疾患への応用も視野に入れています。

腸音を「医療の確かな指標」にするための挑戦は、今まさに進化の段階にあります。
生体音響解析や信号処理の専門家として、雑音の多い医療現場で「必要な腸音だけを正確に取り出す技術」や、腸の動きを見やすく可視化する解析手法の改善にも力を注いでいます。こうした基礎研究の積み重ねが、精度の高い評価技術の開発へとつながります。
将来的には、小型の腸音モニターが実用化されれば、自宅で腸の健康を見守る“新しいヘルスケア”が生まれる可能性もあります。「音」という身近な情報から体の深部の状態を理解する——これは工学と医療が融合することで生まれる、新しい価値あるアプローチです。
「腸の音を科学する」という挑戦は、徳島から全国、そして世界へ広がる可能性を秘めています。
榎本先生は、論文や特許といった学術成果を通じて正しさを示しながら、確かなエビデンスに基づく技術を社会へ届けることを目指しています。
徳島大学「推し支援基金」からの応援は、この研究を実用化へ近づけ、皆さまの暮らしに役立つ技術を育てる大きな力となります。お腹の“音”から健康を守る未来を、ぜひ一緒に創っていきましょう。

本研究は、徳島大学基金「推し支援基金」で応援いただけます。
皆さまのお力添えが、医療の未来を切り拓く一歩につながります。温かいご支援をお願いいたします。
プロジェクト代表者

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